NVIDIAは8月4日、自動運転車・ロボタクシー向けの推論モデル「Alpamayo 2 Super」の商用提供を開始したと発表した。走行の意思決定を担う推論モデルをオープンモデルとして公開し、商用利用も可能にした。
走行判断のベンチマーク「LingoQA」は、走行シーンに対してモデルが下した判断を自然言語でどれだけ的確に説明できるかを測るもので、判断の妥当性だけでなく説明可能性そのものを評価する。Alpamayo 2 Superはこのベンチマークで約40モデル中1位を獲得し、Qwen2.5-VL 72Bを17.0ポイント、GPT-4oを23.2ポイント上回った。モデルの規模は前世代の「Alpamayo 1.5」「Alpamayo 1」の3倍に拡大しており、稀で複雑な走行シナリオでの推論精度を高めたという。1つのモデルで軌跡計画・因果推論チェーン(説明可能性)・メタアクション(意思決定の意図)・自動ラベリング・視覚的質問応答(2D視覚的根拠付け)の5つの出力を同時に生成できる点も特徴で、従来は複数モデルに分担させていた処理を1モデルに統合した形になる。
自動運転領域では、Waymoやテスラなど大手事業者が自社開発の非公開システムで走行判断を行うのが一般的で、NVIDIAのように基盤となる推論モデルを商用ライセンス付きで公開する動きは珍しい。自動運転技術をゼロから持たない自動車メーカーやロボタクシー事業者にとっては、Alpamayo 2 Superを土台に自社の走行データを学習させ、独自の自動運転システムを組み立てられる選択肢が増えることになる。
ライセンスは商用利用・ファインチューニング・派生モデル化・再配布まで認めるOpenMDW-1.1を採用しており、Hugging Faceで公開後すでに50万回以上ダウンロードされている。走行判断ロジックを自社の走行データでファインチューニングし、独自の自動運転システムに組み込む用途を想定しているとみられる。判断の根拠を言語化できる因果推論チェーンは、事故時の原因分析や安全性の説明責任が問われる場面でも活用余地がある。





