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OpenAI、聞きながら話す音声モデル「GPT-Live-1」をAPIで提供開始

OpenAIは9月10日、音声対話モデルGPT-Live-1のAPI提供を開始した。ChatGPTで先行導入されていたモデルで、聞くことと話すことを同時に行うフルデュプレックス動作が特徴になる。価格は音声層のみで1分あたり0.05ドル(1ドル150円換算で約7.5円)。

従来の音声エージェントは、音声認識(STT)、推論を担う言語モデル、音声合成(TTS)を直列につないで作るのが一般的だった。この構成では受け渡しのたびに遅延が積み上がり、利用者が話を遮ったり言い直したりしたときの処理を開発者が自前で書く必要がある。GPT-Live-1は入ってくる音声と出ていく音声を1つのモデルで同時に扱い、相づちや割り込みにその場で反応しながら、重い推論だけを裏側のモデルに投げる。

裏側に置くモデルは開発者が選ぶ。OpenAIはGPT-6 Astraのような推論モデルのほか、予約変更や注文状況の確認といった大量処理にはLunaを、といった使い分けを例示しており、他社製モデルを組み合わせることもできる。音声層は共通のまま、処理の重さとコストに応じて背後を差し替える設計になっている。

フルデュプレックス性能は前世代から30ポイント改善

OpenAIの評価では、会話の間合いや割り込み、相づちへの反応を測るFull Duplex Benchで、GPT-Live-1は前世代のGPT-Realtime-2.1を30ポイント上回った。GPT-6 Astraを中程度の推論設定で組み合わせた構成は、音声エージェントの総合的な遂行能力を測るTau3で首位だとしている。

Tau3で測られているのは、航空・小売・通信といった業種のカスタマーサポート業務を音声でやり切れるかどうかで、一度の試行で課題を完了できた割合が指標になる。銀行業務を対象にした評価では、知識の検索と口座操作を伴う97件の課題が使われている。単に発話が自然かではなく、会話の途中で必要な情報を引き、手続きまで進められるかを見る設計になっている。

実利用での変化も具体的な数字で示されている。語学学習サービスのSpeakは、初期評価でターン制のシステムと比べて学習者の発話をAIが遮る回数が約8割減り、考える時間を確保できるようになったと報告している。別の導入企業は、STT・LLM・TTSを組み合わせた従来構成と比較して、コードベースを8割削減し2万3000行を削除できたとしている。三段構成を1モデルに畳んだ効果が、そのまま実装量の削減として出た形だ。

機能面では、電話回線経由での運用(テレフォニー)に対応したことが業務利用では大きい。飲食店の予約受付やカスタマーサポートの一次対応を、電話の側でフルデュプレックスのまま扱える。このほか、システムプロンプトから話す速さ・口調・会話スタイルを指定でき、背景の雑音や沈黙を会話の中断と誤認しにくくなった。英数字混じりの聞き取り精度やキーワードの重み付け指定にも対応し、音声認識のテキストと応答テキストはモデルが標準で返す。

GPT-Live-1はターン制のモデルではないが、発話の切れ目の検出も標準で備える。既存の音声エージェントはターンの境界を前提に画面遷移や外部システムの呼び出しを組んでいることが多く、そうした作りを残したまま音声層だけを差し替えられるようにしてある。すでに導入したYelpは、予約や注文の電話応対にGPT-Live-1を使ったところ、電話をさばけた割合が改善し、かけてきた人がより長く自然な文で話すようになったと述べている。

音声は12種類に拡大、日本語対応は明示されていない

これまでリアルタイム系のモデルで選べる音声は少数に限られていたが、GPT-Live-1ではQuartz、Ripple、Vesper、Willow、Stone、Gleam、Meridian、Bossa、Tempo、Beacon、Delta、Cinderの12種類が用意された。アクセントや方言の幅も広がり、オーストラリア英語寄りの発音といった選択肢も含まれる。独自音声の利用は営業窓口経由で、適用条件の確認が必要になる。

日本から使う場合に確認しておきたいのは言語の扱いで、OpenAIは音声の種類と対応言語を今後数か月かけて広げるとしており、発表時点で日本語音声の提供状況は明示されていない。日本語で電話応対を組むことを前提にするなら、まず自分の用途で実際の発話品質を確かめる段階になる。

料金の1分0.05ドルは音声層だけの価格で、裏側に置いた推論モデルのトークン料金は別途かかる。1時間の通話なら音声層で3ドル、日本円でおよそ450円が基礎になり、そこに推論の分が積み上がる計算だ。OpenAIは同モデルを企業向け製品のPresenceでも使っており、自社でエージェントを組まない場合はそちら経由での導入も案内している。

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