OpenAIは2025年5月5日、かねて検討してきた営利企業(PBC:パブリック・ベネフィット・コーポレーション)への完全移行を断念し、非営利団体による監督体制を維持する方針を発表した。組織構造の一部見直しは行うものの、非営利法人OpenAIが引き続き全体の方針決定を担う。
OpenAIはもともと2019年に「制限付き利益(Capped Profit)」構造を導入し、投資家への利益還元に上限を設けた変則的な形で営利部門を運営してきた。2024年から2025年にかけて、この構造をPBCへと切り替えることで投資家へのアクセスを広げる計画が報じられていたが、非営利のミッションを損なうとする内外からの批判を受けて方針が転換された。
見直し後の構造では、非営利法人が引き続き組織の最上位に位置し、営利部門の活動を監督する。サム・アルトマンCEOへの株式付与計画も修正され、利益相反の懸念を軽減する内容に改められた。イリノイ州司法長官等の規制当局との協議を経て最終確定させる予定としている。
この決定は、AI開発を「人類全体の利益」のために行うとする創業理念を守るための判断だとOpenAIは説明している。一方で、数百億ドル規模の資金調達を継続しながら非営利の監督機能をどう維持するかという課題は残っており、今後も構造をめぐる議論は続くとみられる。



