OpenAIは9月8日、画像生成モデルの新版ChatGPT Images 2.5を公開した。ディテールの精細さ、編集指示への追従、生成速度をまとめて改善したもので、同日からChatGPT・ChatGPT Work・Codexの全プランに提供されている。デスクトップ・モバイル・ウェブのいずれからも使える。
生成の待ち時間は、2026年4月に公開された前世代のImages 2.0と比べて最大50%短くなったとしている。品質面では、参照写真として渡した人物や物の特徴が変換後も残りやすくなり、光や質感の表現が自然になった点が挙げられている。編集については、指示した箇所だけを変えて周囲を保つ精度と、会話を続けながら何度も修正を重ねたときに前の編集内容が壊れない一貫性が改善対象になった。透過背景を含む複雑なレイアウトも扱えるという。
OpenAIは、修正を重ねるうちに画質が徐々に落ちていく従来の挙動が抑えられ、新しい編集が前の編集結果の上に積み上がるようになったと説明している。指示が細かく具体的になるほど当初の画風から離れていく現象や、実在の情報を含む画像の内容の正確さも改善対象に挙がっている。ChatGPTの画像生成は2025年12月の刷新、2026年4月のImages 2.0に続く更新で、この1年足らずで3度目の世代交代にあたる。
ChatGPT側には操作機能が3つ加わった。「@Sketch」と入力すると呼び出せるSketchは、ChatGPTの画面上に直接絵を描き、それを下絵として最終的な画像を生成させる機能。部屋のレイアウトや服の輪郭のような、言葉で説明しにくい構図を伝える用途を想定している。このほか、ポスターやマーチャンダイズといった用途別のテンプレートから作り始める機能と、画像上にコメントを置いて修正箇所を指定する機能が入った。生成した画像を共有する際に、使ったプロンプトを一緒に渡せるようにもなっている。
APIは用途別に2モデルへ分かれた
開発者向けのAPIには、GPT‑Image‑2.5 FlareとGPT‑Image‑2.5 Sunburstの2つが追加された。Flareは大半の用途で標準となる位置づけで、従来のGPT‑Image‑2より高品質な画像を50%低いレイテンシで返す。Sunburstは編集をまたいだ制御の精度を優先したモデルで、生成時間は長くなるが、キャンペーン用のクリエイティブや商品写真のような仕上げ重視の用途に向けるとしている。
APIの構成としては、ここが今回いちばん大きく変わった部分だ。前世代まではGPT‑Image‑2という単一モデルで速度と品質の両方をまかなっていたが、2.5では「速くて軽い方」と「遅くて精密な方」に分割された。開発者側は、どの処理にどちらを割り当てるかという判断を新たに引き受けることになる。大量生成や視覚検索のように件数が出る処理はFlare、最終出力に近い工程だけSunburst、という切り分けが前提の設計になっている。早期利用者としてはAdobe、Runway、Manus、Higgsfield AIの名前が挙がっている。
配布のされ方でGoogle Picsと対照的
画像生成の競合では、Googleが9月1日に画像作成・編集ツール「Google Pics」をWorkspaceに投入している。Nano Bananaモデルを土台に、オブジェクト単位の切り出しや画像内テキストの翻訳、同じ画像を複数人で共同編集する機能を備え、DocsとSlidesに組み込まれる形をとる。対象はGoogle AI Pro・Ultraの加入者と大半のWorkspace法人契約で、業務ドキュメントの中に置くという設計思想がはっきりしている。
これに対してImages 2.5は、初日から有料・無料を問わずChatGPTの全プランに配られた。片方は仕事のファイルが置かれている場所に画像機能を寄せ、もう片方は利用者数の多いチャットの側に置いたまま機能を厚くしている。同じ「画像生成の強化」でも、届け方の設計が逆を向いている。
週30億枚の生成と、出所表示の扱い
OpenAIは、ChatGPT ImagesとAPIのGPT‑Imageモデルを合わせて週に30億枚以上の画像が作られていると公表した。この規模で問題になるのが生成物の出所表示だが、Images 2.5でも従来と同じく、画像にC2PA形式のメタデータを埋め込む方式と、目に見えない電子透かしを入れる方式が併用される。C2PAは画像ファイルに来歴情報を付けるための業界標準で、対応するビューアであれば、どのツールで作られたかを確認できる。ただしメタデータは画像の再エンコードや変換で失われることがあり、電子透かしはそれが落ちた後も判定を残すための補完にあたる。安全性の評価内容はシステムカードにまとめられている。
日本のユーザーにとっての条件は、提供開始時点で全プランに行き渡っている点にある。無料枠での生成回数の上限は今回の発表では示されていない。APIの2モデルの価格はOpenAIの料金ページで公開されている。




