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OpenAI、Codexの実行基盤を開放する「Agents API」を公開ベータで提供

OpenAIは9月10日、クラウド上でAIエージェントを構築・実行するためのAgents APIを公開ベータとして提供開始した。同社のコーディングエージェントCodexを支えている「ハーネス」——モデルの呼び出し、ツールの選択、コンテキストの管理を束ねる実行ロジック——と、その周辺インフラを、そのまま外部の開発者に開放する。

Agents APIでは、タスクの指示・モデル・ツール・実行環境を指定した1回のAPI呼び出しでエージェントのセッションを作る。公式のサンプルでは、モデルにGPT-6 Astraを指定し、ツールとしてMCPサーバーを接続し、サブエージェントの同時実行数を3に設定したうえで、「直近30分のサーバーエラー増加を調査し、原因分析をサブエージェントに振り分け、結果を指定ディレクトリに保存せよ」という指示を渡している。

ハーネス本体はOpenAIが運用・保守する。新しいモデルが出るたびにハーネス側もバージョン管理された形で更新され、開発者は自前の実行ロジックを書き直さずに新機能を取り込める、という位置づけだ。Agents API自体に追加料金はなく、課金はエージェントが消費したトークンとツールの利用分のみ。公開ベータは全開発者が対象で、提供初日から利用できる。

実行環境はOpenAIのサンドボックスか、外部9社の基盤から選ぶ

エージェントがコードを実行したりファイルを扱ったりする場所は、3通りから選べる。OpenAIが管理するサンドボックス、自社インフラ、そしてパートナー企業のサンドボックスである。パートナーとして名前が挙がっているのはBlaxel、Cloudflare、Daytona、DigitalOcean、E2B、Modal、Oracle、Runloop、Vercelの9社で、自社VPC内へのデプロイ、ファイルやシークレットの保存方式、CPU・GPU・メモリ構成やコールドスタートの速さといった条件で選び分ける形になる。

同時に発表されたOpenAIホスト型サンドボックスは、CodexとChatGPTで使われているものと同じ基盤を使う。あらかじめファイル、パッケージ、スキルやプラグインを組み込んだ状態で立ち上げられるため、エージェントの作業環境を毎回ゼロから組む必要がない。

コンテキスト圧縮とサブエージェントが標準で載る

長時間動き続けるエージェントで最初に壁になるのがコンテキスト長で、Agents APIはセッションがコンテキスト上限に近づくと過去のやり取りを自動で圧縮し、作業の継続に必要な情報だけを残す。開発者が独自の圧縮ロジックを実装しなくても、複数のコンテキストウィンドウをまたぐ処理を書けるということだ。

ツールの扱いにも手が入っている。ツール検索は必要になった時点で該当するツール定義だけを読み込み、トークン消費とキャッシュの破棄を抑える。プログラマティック・ツールコーリングでは、複数の呼び出しを並列に走らせたり、結果をコード側で絞り込んでから必要な分だけモデルに戻したりできる。対応するのはMCP、カスタム関数、Web検索などの組み込みツールである。

サブエージェント機能では、複雑なタスクを分割して並列に処理させる。各サブエージェントは自分専用のコンテキストを持ち、親エージェントが結果を統合する。OpenAIが紹介している事例では、ソフトウェア企業Ciridaeが自社の評価スコアを0.71から0.85に上げ、サブエージェントの調整にかかっていた時間を含めてレイテンシを4分の1にしたとされる。

ハーネスを誰が運用するかで競合と分かれる

エージェント開発の基盤をベンダーが提供する動き自体は新しくない。AnthropicはClaude Agent SDKを公開しているが、こちらはハーネスを開発者側の環境で動かす形で、実行環境の用意も開発者の責任になる。Agents APIの違いは、ハーネスの運用とサンドボックスの提供までOpenAIが引き受ける点にある。しかもそのハーネスはオープンソースのCodexハーネスで、中身のロジックは公開リポジトリで読める。運用は任せつつ、挙動の根拠は自分で確認できるという構成だ。

一方で、サンドボックスのパートナー一覧にCloudflare、Vercel、E2B、Modalといったエージェント実行基盤の主要プレイヤーが並んでいることは、実行環境まで全部を自社で囲い込む方向ではないことを示している。Agents APIが押さえているのはハーネスの層であり、その下の計算資源は既存のエコシステムに接続する。

日本の開発者にとっての条件面では、公開ベータの対象が全開発者とされており、地域や申請の制限は案内されていない。追加料金がなくトークン課金のみという設計上、既存のOpenAI APIの請求にそのまま乗る形になる。OpenAIは一般提供に向けてベータ期間中に改善を重ねるとしており、現時点の仕様がそのまま固まるわけではない。

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