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NVIDIA、RTX Spark発売を前にローカルAI向けソフト群を発表 74Bモデル「Nemotron 3.5 Bolt」やPAIR正式版

NVIDIAは10月13日、10月16日に発売されるRTX Spark搭載ノートPCに向けて、RTX Spark向けのAIエージェント・開発ツール・クリエイティブアプリの対応状況をまとめて発表した。ハードウェアの仕様と発売日は10月7日に公表済みで、今回は発売日に何が動くのかを示す内容になっている。目玉は、ローカル実行を前提に設計した新しいオープンモデル「Nemotron 3.5 Bolt 74B」と、家庭内のPCに推論を振り分けるツール「NVIDIA PAIR」の正式版だ。

Nemotron 3.5 Bolt 74Bは総パラメーター740億、推論時に使うのは90億のMoE(専門家混合)モデルで、10月15日に公開される。量子化を前提に学習させる手法(QAT)で2ビットまで圧縮し、モデルサイズを約24GBに抑えた。llama.cpp、vLLM、Ollama、Unsloth、LM Studioで動き、エージェントのHermesやOpenClawからも呼び出せる。重みだけでなく学習データと学習レシピも公開する。

PAIRは9月のIFAでベータ版として出たツールで、今回ベータが外れた。新たにllama.cppに対応し、Hugging Faceからのモデルの直接ダウンロード、推論エンジン設定のカスタマイズ、RTX Sparkへの対応が加わった。Windows・Linux・macOSで動き、無償のオープンソースのままだ。

エージェントは「初回起動の設定」と「隔離実行」に対応

エージェントアプリ側では、GitHub Copilot、Hermes、OpenClaw、Perplexity、Pi、WorkBuddyが更新された。RTX Sparkの初回起動時に「Getting Started」画面が出て、エージェントが機種に合ったローカルモデルと設定を推奨し、数クリックで構成する。セキュリティ面では、10月7日に一般提供が発表されたMicrosoftのエージェント隔離基盤「Microsoft Execution Containers(MXC)」に、OpenClawとGitHub Copilotがすでに対応した。Hermesは10月末までにMXCとNVIDIAのOpenShellによる細かな権限制御を加え、ローカルとクラウドのモデルを使い分けるルーターライブラリ「Switchyard」も同時期に組み込む。Switchyardは8月に「NeMo Switchyard」として公開されたもので、当時はクラウド上の複数モデルの振り分けが主な用途だった。

NVIDIA App、Broadcast、PAIR、Omniverse、RTX RemixはMCPサーバー経由でエージェントから操作できるようになる。初めてのエージェント設定や「AIの秘書役」の作り方などを手順化したプレイブックは、10月16日にbuild.nvidia.com/rtx-sparkで公開される。

Arm版Windowsで足りなかった開発環境を埋める

RTX SparkのCPUはArmベースのGraceで、OSはArm版のWindowsになる。これまでArm版WindowsではPythonの主要パッケージやCUDA対応のPyTorchが揃わないことが、AI開発機として使う際の障害だった。今回、Arm版Windows向けとして初めてのPyTorch-CUDAビルド、標準でネイティブ動作する初のPython(3.15)、2,000超のパッケージを含むConda用インストーラーが用意された。利用の多い上位15,000のPythonパッケージのうち97%がすでに対応済みという。WSL(Windows Subsystem for Linux)も使える。

クリエイティブ用途では、AdobeのPhotoshopとPremiereでAI処理や編集が最大2倍速くなるRTX Spark向けビルドがベータとして提供され、Substance 3D Painterの対応も予告された。NVIDIA Broadcast 2.3は同日に提供が始まり、録画済みファイルにノイズ除去などをかけるオフライン処理と、エージェントから操作するためのMCPサーバーが加わった。発売日には数百本のゲームが動くとしており、DLSS 5はNBA 2K27で10月16日から、高速化した新モデルで提供される。

Lightning 30BとBolt 74Bの位置づけ

NVIDIAは8月に、ローカルでも動くエージェント向けモデルとして300億パラメーターの「Nemotron 3.5 Lightning」を出している。今回のBolt 74Bは規模が約2.5倍だが、推論時に動くのは90億パラメーターに限られ、2ビット化で約24GBに収まる。容量だけで見れば、VRAM32GBのGeForce RTX 5090や最大128GBのメモリを積むRTX Sparkに載る大きさで、IFA時点でローカル実行の目安とされた「VRAM24GB以上」の枠内に収まる。ただし2ビットまで落とした場合の精度の実測値は今回の発表では示されておらず、Lightningとの性能差は10月15日の公開後に確認する必要がある。

RTX Spark搭載PCの価格は、10月7日の発表に続いて今回も明らかにされていない。NVIDIAは10月21日にGTC Berlinで基調講演を予定している。

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