OpenAIは10月15日、生命科学に特化したモデル「GPT-Rosalind」を大学の研究室に無償で提供する「Rosalind アカデミックプラン」を発表した。対象は米国の大学の研究室で、承認されればBusiness Standardの席を最大30席、最長12か月間、1ユーザーあたり月額0ドルで使える。
プランには、GPT-Rosalindと専門ツールを連携させる「Rosalind ワークベンチ」に加え、使用上限の範囲内で商用提供されているOpenAIのフロンティアモデルがすべて含まれる。ただしGPT-Rosalind自体は、従来どおり「信頼できる利用者向けアクセス」の審査を通った場合に限って有効になる。申請は研究代表者(PI)や研究室責任者が研究室を代表して行い、機関の正当性、責任者の経歴と職位、研究内容と利用目的、機関側の安全担当窓口などが確認される。API利用は含まれず、プラン経由で共有した研究データは既定ではモデルの学習に使われない。大学がすでにOpenAI Enterpriseを契約している場合は、大学のEnterpriseの手続きから申請する。
GPT-Rosalindは4月にAlphaFoldやPubMedと連携する生命科学モデルとして登場し、5月には生物防衛向けの「Rosalind Biodefense」が加わった。これまでの提供は主に企業や政府機関、Enterprise契約を通じたもので、今回のプランは大学が契約していなくてもPI単位で研究室に席を配れるようにした点が変わる。事例としてはUCSFのZhao研究室が薬物10種類の物理化学的パラメータをPubChemとNCBIのツールで集めた例のほか、スタンフォード大学とArc InstituteのBrian Hie氏の研究室などが紹介されている。
同じ10月15日には、Google DeepMindも開発基盤「Google Antigravity」上のエージェントでUniProtの未知配列から抗菌ペプチドの候補を探し、AlphaFoldの構造データで裏付けてウェットラボの実験計画まで起こす手順を公開した。薬剤耐性はRosalind アカデミックプランが挙げる研究分野の1つでもあり、両社とも研究室の作業フローにエージェントを入れる方向で製品を打ち出している。なお現時点の対象は米国の大学に限られ、日本の大学の研究室は申請できない。




