Google DeepMindは2026年5月12日、科学研究者のパートナーとなるマルチエージェントAI「Co-Scientist」を発表した。科学的仮説の生成から検証、文献の横断的な整合性確認まで、研究プロセスの複数フェーズで専門家レベルの支援を行うシステムだ。
Co-Scientistが医療生命科学研究での活用として具体的に示したのは、加齢研究の仮説生成、ALS(筋萎縮性側索硬化症)研究の加速、肝臓疾患メカニズムの発見、感染症研究の支援だ。バイオメディカル研究タスクを「専門家レベルでより短時間に」実行できるとされ、自然科学の主要誌「Nature」に掲載されることで科学的な信頼性も担保されている。
マルチエージェント構成により、仮説生成、実験計画の立案、既存文献との矛盾チェック、新たな研究方向の提案を並列に進められる。人間の研究者が数週間かけて行う文献サーベイや仮説検討を圧縮し、実験・検証に集中できる時間を生み出す設計思想が貫かれている。
AIが科学的発見を加速するという方向性では、OpenAIのGPT-Rosalind、マイクロソフトのScience、DeepMindのAlphaFoldシリーズなど各社が独自のアプローチを取っている。Co-Scientistが示した「複数エージェントが協調して研究者を補佐する」モデルは、特定領域の予測精度を上げるというより、研究プロセス全体をAIが伴走する方向を示している。



