OpenAIは2026年6月30日、ChatGPTの利用動向をまとめた「OpenAI Signals」のデータを公開した。ユーザーの使い方が時間とともに深まっていること、アフリカ・アジアを中心に急速に普及が進んでいること、英語以外のユーザーが全体の過半数を超えたことなどが明らかになった。
データによると、登録から6か月が経過したユーザーは登録直後と比べて1日あたりのメッセージ数が50%増加し、試した機能の種類は2倍に達した。地域別では2023年7月を基準にした相対成長率がアフリカとアジアで最も高く、人間開発指数(HDI)が低い国ほど急速な伸びを見せている。言語面では非英語ユーザーがアクティブユーザーの過半数を占めるようになり、スペイン語・ポルトガル語・アラビア語が英語に続く主要言語となっている。伸び率ではウズベク語・カザフ語・ビルマ語が2023年7月比で最大の増加を記録した。また、一般的に女性的とされる名前を持つユーザーの割合が増加し、現在は全体の過半数を占めるとされている。
「深化と拡大」が同時進行するユーザー行動
登録から時間が経つほどメッセージ数が増え、かつ使う機能の幅も広がるというデータは、ChatGPTが「試してみる」段階から「日常的なツール」として定着しつつあることを示している。用途が固定化せず横展開していく点は、単機能アプリとは異なる使われ方であり、プラットフォームとしての粘着性の高さを示す指標として注目される。
新興国での急成長が示すアクセシビリティ戦略の効果
HDIの低い国での相対成長率が高いという結果は、OpenAIが無料プランやGoプランを通じて低コストアクセスを維持してきた戦略と符合する。AI活用の恩恵が先進国に偏るという批判に対して、データをもって普及の広がりを示す意図もうかがえる。中長期的には新興国ユーザーの厚い層が有料転換の原資となる可能性もある。
多言語化・多様化が加速するコンテンツと安全性への含意
非英語ユーザーが過半数を超えたことは、モデルの多言語対応品質とコンテンツモデレーションの複雑性をともに高める。英語中心の安全評価やファインチューニングが他言語では機能しにくいケースが生じやすく、グローバル展開に伴う品質維持コストの増大が今後の課題として見えてくる。



